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医師の将来


医師の将来

2008年6月、政府は「安心と希望の医療確保ビジョン」施策で医師不足を認め、医師数を増やす方針に転換することを発表した。医師の将来は、その需給バランスにおいて、今後大きく変化する可能性を含んでいる。

開業医過多

2006年7月、厚生労働省の「医師の需給に関する検討会」で提出された報告書では、主に診療所を勤務の場としている医師数が2025年には現在の約1.5倍になると推計。さらなる開業医の増加を示唆している。また、少子化の影響による総人口の減少、さらには労働人口の大幅減などにより、医院開業がこのままのペースで続けば、早晩、医療需給のバランスは供給過多に大きく傾いていくと見られている。人口の高齢化により在宅医療の需要は今後も増加が見込まれるものの、相次ぐ医療費抑制策により、ダウンサイジングによる病院の診療所化も加速している。開業医は一気に淘汰の時代を迎える可能性がある。

医療制度改革(医療費費削減、診療報酬カット)

2006年6月、高齢者医療制度の創設や医療費を抑制するための医療制度改革法が成立した。主な柱は、1:高齢者の負担増(現役並み所得の高齢者の患者負担を2割から3割に引き上げ。療養病床に入院する高齢者の食費・居住費を自己負担。70~74歳の高齢者の患者負担を1割から2割に引き上げ)、2:高齢者医療制度の創設(2008年4月開始の後期高齢者医療制度)、3:医療費の抑制(都道府県による医療費適正化計画の作成。病院の平均在院日数短縮や生活習慣病の予防。国民健康保険の広域化など)厚生労働省はこうした一連の改革により25年度に56兆円になる医療給付費を48兆円に抑えることができると試算している。医療制度改革は、医師への診療報酬カットに直接つながるものであり、医師の収入や病院経営にはマイナスに働く。

混合診療

保険診療において保険外診療(自由診療)を併用することは原則として禁止されている。通常であれば健康保険(政府管掌健康保険、組合管掌健康保険、国民健康保険)が適用される診療内容にそれ以外の保険外診療が加わった場合、保険外診療分に加えて本来健康保険からの給付対象分を含めた医療費支払いの全額が患者の自己負担となる。しかしながら現在、混合診療を禁止する明文化された規定(法律)は存在しない。
混合診療の導入により、保険外診療の全額が患者負担となるため、お金のあるなしで必要な医療が受けられないとか、病院経営を大きく左右する問題であり、今後も注視していく必要がある。

医師の仕事

2006年の健康保険法改正により、40~74歳の中高年を対象とした「特定健康診査・特定保健指導」が2008年4月1日から全国の市町村でスタートした。この健診は、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の予防・改善を目的としたもの。特定健診の結果をもとに、内臓脂肪蓄積の程度とリスク要因の数に着目して、リスクの高さに応じて、レベル別(「動機付け支援」・「積極的支援」)に特定保健指導の対象者選定を行う。健診の結果、肥満に加えて高血圧、高血糖など血液データが不適切と分かれば、生活習慣病とその予備群と判定される。該当者は保健指導を受けなければならず、その際の指導には、医師、保健師、管理栄養士、一部の看護師などがあたる。